【コラム】とにかくいっぱい作る教室。未知への不安→わくわく

お知らせ

アトリエ三角座りの子供工作教室は、基本的に1回2時間で1作品、1ヶ月に3作品作ります。

造形教室としては結構忙しいタイプかと思います。

「今日はこんなの作るよ!」
「どんな作品にしたいか作りながら考えよう!」
「はい時間でーす!片付けましょー!」

悩むより先に手を動かす!
アトリエ三角座りの特徴の一つです。

アトリエに来てから作品を考える

造形作品は、一つ一つ丁寧に時間をかけて作り上げることが好ましいとされるような気がします。
私自身、芸大の漆工芸科を卒業していて、美しい艶を出すために膨大な時間作品を磨く作業をしていました。段々と研磨の目を細かくして磨いていくのですが、細かな傷が残ってしまうといくら磨いても艶が上がらなかったりします。
本当にピカピカになるのは一番最後の仕上げ研ぎの瞬間で、それまでは漠然と不安を抱えて制作していました。

学生時代の漆作品。ピカピカに磨いた黒は鏡面反射する。

多くの子は、自由に作品を作りましょう!というと、自分の知っているもの、作ったことのあるものしか作ろうとしません。知らないものは、作ろうという選択肢すら持つことができません。
知っているというのはある種の安心感や優越感を気軽に得られます。
小学生同士のマウントの取り合いに「これしらないの〜?」はよく聞くと思います。

通い始めたばかりの子は時間制限の中、どんなふうに作り上げるのかも不透明な中で作品のテーマも同時進行で考えなければいけないので、完成するかどうか不安かも知れません。
作っている最中は生徒はなんのための作業かわからず手を動かしていることも多いです。

「とりあえずやってみて」としか言いません。
そして手伝ったりしながら何が何でも時間内に完成させます。
とにかく手を動かして作った先に完成する体験を積み重ねます。

しばらく通って慣れた子は、「今日は何を作るの!?」と目をキラキラさせて聞いてきます。
わからないこと、知らないことにワクワクし始めます。
どんなものをどう作るかわからなくても、とにかく作れば完成することがわかっているから。

感性を育てるには技術です。作ったことある!知ってる!の引き出しをたくさん詰め込んで自信をつければ、未知に踏み込む一歩が軽い足取りになります。

未知への不安がワクワク感に変わると、世界がより一層楽しくなるとおもいます。